第37回極東プラスチック業界懇談会(2011年10月26日 幕張メッセ)

第37回極東プラスチック業界懇談会が2011年10月26日、千葉市幕張メッセの国際会議場で開催された。参加者は、韓国(韓国プラスチック工業協同組合連合会KFPIC)20人、台湾(台湾区プラスチック製品工業同業公会TTPIA)26人、日本(日本プラスチック工業連盟JPIF)31人であった。今回、インド(Plastindia Foundation)、中国(中国プラスチック加工工業協会CPPIA)は不参加であった。
 
<今回の会議日程>
  (午前) (午後)
   T各国代表挨拶
Uプラスチック産業動向
V廃プラスチックリサイクル関連
Wプラスチック製品の高品質化
Xプラスチックのイメージアップ活動
・全体質疑応答

T【各代表挨拶概要】
     各国の会長は、この懇談会でプラスチック業界を取り巻く懸案と課題について活発な議論を行い、相互の情報交換によって有意義な会議になることを期待すると述べた。
 JPIF 米倉会長は、東日本大震災に対する各国からのご支援に御礼を申し上げ、プラスチックの力を最大限に発揮して広く社会に貢献していくためには、ごみの散乱や海洋汚染、リサイクル問題といった解決すべき課題に各国のプラスチック業界団体が協調して取組むとともに、具体的なアクションを積み重ねていくことでプラスチックに対するイメージを高めていくことが重要であると述べた。
  TTPIA Kuo Hsien Chugn代理理事長は、今年台湾では原料の供給不安問題や食品への可塑剤混入問題が発生した。環境意識を向上し、より良いプラントを作り、品質を向上させてプラスチックのイメージアップに努力していきたいと述べた。
  KFPIC Cho Bong Hyeon会長は、資源節約技術など共通の課題についてお互いに技術、情報を共有し、一緒に協力しなければならないと述べた。
 
U【プラスチック産業動向】2010年から2011年上半期の日韓台動向比較
     3国のプラスチック産業規模を簡単に比較したものを表1に示す。 
 台湾、韓国の輸出比率はそれぞれ68%、56%とかなり高く、日本(36%)との大きな違いになっている。一人当たりの使用量は、日本は韓国、台湾と比べて低めである。各国とも一人当たりの使用量は、昨年(日本65、韓国112、台湾93 kg/人)と比べて増加している。
   
表1 各国のプラスチック産業規模(原材料ベース)    (2010データ)
  A 生産量 B 輸出量 C 輸入量 D 国内消費 D/A E 人口 D/E
  千トン 千トン 千トン 千トン % 千人 kg/人
日本 12,242 4,444 1,997 9,795 80.0 128,056 76.5
韓国 13,028 7,321 370 6,077 46.6 48,875 124.3
台湾 6,331 4,324 461 2,468 39.0 23,370 105.6
(韓国、台湾の生産量、輸出入量はエンジニアリングプラスチックを除く)
     
     3国のプラスチック原料の過去6年間の生産量推移を表2に示す。
 日本、韓国、台湾の2010年生産量の対前年比は、それぞれ12.2%、2.2%、2.8%で各国とも増加した。韓国、台湾と比べて日本の伸びが目立ったが、日本の生産量は、まだリーマンショック以前の水準までは回復していない。韓国の生産量は、2009年に初めて日本の生産量を上回ったが2010年も約80万トン上回った。
   
表2 プラスチック原材料生産量推移 生産量 千トン
    2005 2006 2007 2008 2009 2010
日本 生産量 14,145 14,050 14,199 13,041 10,915 12,242
指数 % 100.0 99.3 100.4 92.2 77.2 86.5
韓国 生産量 10,994 11,278 11,788 11,869 12,749 13,028
指数 % 100.0 102.6 107.2 108.0 116.0 118.5
台湾 生産量 6,020 5,970 6,417 5,713 6,159 6,331
指数 % 100.0 99.2 106.6 94.9 102.3 105.2
   
  3国の原料樹脂の2010年上半期と2011年上半期の対比を表3に示す。  
  2011年上半期の国内消費量は、2010年上半期と比べて3国とも小幅ながら増加している。国内消費量の増加は韓国が最も大きく、台湾、日本の順となっている。
  韓国の生産量はエンプラが含まれていないが、11年上半期もエンプラを含む日本の生産量を約60万トン上回っていて、年間でも昨年に引続き韓国の生産量は日本を超えるものと思われる。日本の2011年上半期の生産量は、東日本大震災の影響もあって前年同期比3.8%減少した。各国とも2011年上半期輸出は、前年同期比マイナスとなり、2011年上半期輸入は、前年同期比大幅なプラスとなった。
   
表3 プラスチック原材料樹脂上半期対比    (生産:トン、前年比:%)
  原材料生産 原材料輸出 原材料輸入 国内消費
2010 2011 2010 2011 2010 2011 2010 2011
日本 6,028,914 5,802,279 2,222,053 2,041,059 974,195 1,148,640 4,781,057 4,909,860
前年比   -3.8 前年比   -8.1 前年比   17.9 前年比   2.7
韓国 6,435,766 6,432,662 3,624,789 3,482,881 181,529 239,480 2,992,506 3,189,261
前年比   0.0 前年比   -3.9 前年比   31.9 前年比   6.6
台湾 3,294,474 3,227,298 2,089,063 2,036,651 202,640 268,420 1,408,051 1,459,067
前年比   -2.0 前年比   -2.5 前年比   32.5 前年比   3.6
 
V 各国の発表のトピックス
 

<プラスチック製品の高品質化>

  日本: プラスチック容器包装の機能と環境配慮
    ----プラスチック容器包装は内容物を含めたライフサイクル全体での環境配慮が必要である。
  韓国: 高機能及び高付加価値エンジニアリングプラスチックの研究動向
    ----部品の軽量化によりエネルギーを節約できるエンジニアリングプラスチックの研究開発状況の報告。
  台湾: ラミネーションプラスチックによる環境保護の包装材料と食品安全
    ----水性インクと水性接着剤の使用し、高酸素バリア性の環境に配慮したラミネーション包装フィルムの紹介。
  <プラスチックのイメージアップ>
  日本:

プラスチックの「イメージアップ活動」

   

− 業界・消費者・大学間のコミュニケーション −

    ----日本ポリエチレン製品工業連合会としてのプラスチックの「イメージアップ活動」について取組の事例を中心に報告。
  韓国: プラスチックのイメージ改善方法及び事例
    ----環境ホルモン物質が排除されたエコ素材を適用したプラスチック容器と環境汚染源を減らすことができる生分解性プラスチックの報告。
  台湾: 低炭素時代におけるリサイクルプラスチック材料の新しい役割
    ----リサイクルプラスチック材料の使用による低炭素社会を達成する活動について報告。
 
(最後に)
   この懇談会は3団体による各国のプラスチック産業にかかわる重要課題に関する情報交換により、まずは相手国の状況をよく理解してその中から活用できる知見を求め、あるいはより深い情報交換の場を構築する機会とするものである。
 共通議題については各国の理解も年々進み、環境に優しい製品を作ろうという議論が高まるなど内容も深まってきている。
 今後はインド、中国の参加も視野に入れ、プラスチック業界の懸案事項と解決すべき課題について、お互いに情報交換し、より価値の高い会議に育成していきたい。