第35回極東プラスチック業界懇談会(2009年10月15日 ソウル)

 第35回極東プラスチック業界懇談会が2009年10月15日、韓国ソウル市グランドアンバサダーホテルで開催された。
参加者は、韓国(韓国プラスチック工業協同組合連合会KFPIC)33人、台湾(台湾区プラスチック製品工業同業公会TTPIA)21人、日本(日本プラスチック工業連盟JPIF)13人。今回中国(中国プラスチック加工工業協会CPPIA)からの参加はビザの問題から、直前になりキャンセルとなった。
今回の開催にあたってはJPIFからより深い意見交換ができることを狙い運営改善の要望を出し、会議内容を以下のようにテーマを絞って行なうように改めた。
 
  従来の運営 今回の運営


・各代表挨拶
・プラスチック産業動向

・各代表挨拶
・プラスチック産業動向(内容を簡素化)
・プラスチックリサイクル関連事項


・プラスチックリサイクル関連事項
・各国のトピックス(テーマ不統一)
・全体質疑応答
・生分解性プラスチック開発動向
・プラスチックのイメージアップ活動
・全体質疑応答


T【各代表挨拶概様】
   3団体の会長からの挨拶では各国ともプラスチック産業の窮状に言及されたが、極東懇の活性化に関する期待を表明されたのが印象深いものとなった。
KFPIC Cho Bong-hyeon会長は特に今回の改革取組を端緒に極東懇活性化に対する期待、TTPIA Huang, Hsing-hsiung会長は廃棄プラスチック処理情報共有への期待を述べ、 JPIF 若林 哲会長代行は、ICCAの「GHGの削減 化学産業の低炭素社会に向けた貢献のc−LCA評価」の紹介を交え、今後の極東懇の活性化の期待を述べた。
 
U【プラスチック産業動向】2008年から2009年上半期の日韓台動向比較
   三国のプラスチック産業規模を簡単に比較したものを表1に示す。
 
表1 各国のプラスチック生産規模     2008データ
  A 生産量 B 輸出量 C 輸入量 D 国内消費 D/A E 人口 D/E
  千トン 千トン 千トン 千トン % 千人 kg/人
日本 13,041 3,969 1,938 11,011 84 127,692 86
韓国 11,865 6,536 275 5,604 47 48,607 115
台湾 5,713 3,910 377 2,179 38 22,943 95
韓国、台湾の生産量、輸出入量はエンジニアリングプラスチックを除く
   
   台湾・韓国は輸出比率が高く、台湾は68%であり生産規模が日本に近い韓国でも55%に達するのが、日本との大きな違いになっている。

3国間の比較における最大の特徴は、昨年9月依頼の世界経済の状況による影響度の差が3国間で大きく出たことである。過去4年間の生産量推移(表2)をみると台湾は昨年比11.7ポイント(約0.7百万d)低下し、日本の生産量は8ポイント(約1百万トン)下がったが、韓国の生産量は微増(0.8ポイント増加)であった。
 
表2 プラスチック原料生産量推移 生産量 千トン
    2005 2006 2007 2008
日本 生産量 14,145 14,050 14,199 13,041
指数 100.0 99.3 100.4 92.2
韓国 生産量 11,008 11,253 11,783 11,865
指数 100.0 102.2 107.0 107.8
台湾 生産量 6,020 5,970 6,417 5,713
指数 100.0 99.2 106.6 94.9
 
2005年には約3百万dあった日韓の生産量差は、約1.2百万dに縮まった。 (韓国の生産量にはエンプラは含まれていない)

これを08年上期と09年上期でみると3国間の違いはさらに大きくなっている(表3)。
 
表3 原料樹脂上半期対比
  原料生産 原料輸出 原料輸入 国内消費  
2008 2009 2008 2009 2008 2009 2008 2009  
日本 6,802,178 4,718,643 2,169,471 1,979,504 987,147 747,660 5,619,854 3,486,799 トン
(09/08)比
 
-2,083,535 (09/08)比
 
-189,967 (09/08)比
 
-239,487 (09/08)比
 
-2,133,055 トン
-30.6 -8.8 -24.3 -38.0 %
韓国 6,093,595 6,289,489 3,286,121 3,858,818 154,420 93,655 2,961,894 2,524,326 トン
(09/08)比
 
195,894 (09/08)比
 
572,697 (09/08)比
 
-60,765 (09/08)比
 
-437,568 トン
3.2 17.4 -39.4 -14.8 %
台湾 3,377,980 3,194,236 2,162,776 2,228,481 201,736 217,863 1,416,940 1,183,618 トン
(09/08)比
 
-183,744 (09/08)比
 
65,705 (09/08)比
 
16,127 (09/08)比
 
-233,322 トン
-5.4 3.0 8.0 -16.5 %
 
 韓国の生産量はエンプラが含まれていないが、09年上期ではエンプラを含む日本の生産量を1.5百万d上回っており、年間でも韓国が日本を追い越す可能性は極めて高い。
国内消費量の落ち込みは日本が最も大きく、韓国・台湾は日本の半分以下に過ぎない。 さらには韓国の輸出は2009年上半期でも前年同期比17.4%の伸びを達成しており、日本の−8.8%との差は大きい。この結果として、生産量をみると日本が−30,6%に対して韓国は3.2%の増となっている。台湾は韓国ほど輸出増が達成できずに−5.4%の減少となった。 すなわち消費の落ち込み程度、輸出でのカバー力の差が生産量の変化に大きく現われた。
 
V 各国の発表
   今回初めてプラスチックのイメージアップ活動についてとりあげた。これは昨年の第34回懇談会で韓国側の出席者から、プラスチックに対する消費者イメージが悪く、何らかの対応が必要ではないかという問題提起があったことを受けて、日本からテーマとして要望したものである。
イメージアップの活動であるので、プラ工連としては業界としての取組と受け取っていたが各国業界団体の位置づけの差によるものか、発表内容は全く異なるものとなった。
日本 プラ工連によるイメージ調査結果紹介、業界団体による取組事例紹介
韓国 プラスチックイメージ改善のための自主協定制度と主な活動の紹介
台湾 木材複合プラスチック材の改良技術の紹介
業界による直接的活動を質問したところ、韓国からはプラスチック廃棄物回収リサイクル自主協定に関する広報活動−資源公社で主婦や小学生4000人以上に対して分別排出の教育をしている。台湾は業界による活動はしていないとのこと。 一般消費者への活動の取組意識に大きな差があるものと感じられるが、この問題は今後掘り下げていきたい。
 
(最後に)
 この懇談会は3団体による各国のプラスチック産業にかかわる重要課題に関する情報交換により、まずは相手国の状況をよく理解してその中から活用できる知見を求め、あるいはより深い情報交換の場を構築する機会とするものである。
すでに35回を数える歴史を持つが、見直しが必要な時期にある。そのため、今回は日本から進め方改革案を提示し改革の一歩を踏み出したが、次回にも更に具体的改革案を提案して、より価値の高い会議に育成していきたい。

見交換で盛況に―