第34回(2008)極東プラスチック業界懇談会開催

 第34回極東プラスチック業界懇談会が弊連盟主催により平成20年11月7日、経団連会館国際会議場にて開催された。今回はインドからPlastindia Foundation、中国から中国塑料加工工業協会の参加があった。かねてより中国塑料加工工業協会へは本会への参加を呼びかけてきていたが、今回初めての正式参加を得たことは、今後の本会の発展に対して影響を与えることになるものと期待される。今回の参加者数は次のとおりである。
日本プラスチック工業連盟 米倉弘昌会長 以下 23名
韓国プラスチック工業協同組合 ゙奉鉉会長 以下 21名
台湾区塑膠製品工業同業公会 黄信雄会長 以下 28名
Plastindia Foundation Arvind Mehta会長夫妻  
中国塑料加工工業協会 姚峰常務理事  
総計 74名

各国代表の挨拶に続いて、会議は次ぎのテーマで行われた。

1.各国プラスチック産業概況報告(台・日・韓・インド・中国)
2.各国プラスチックのリサイクル関連報告(台・日・韓)
3.各国別個別テーマ(台・日・韓)


1.各代表の挨拶概要
 
1.1. 日本プラスチック工業連盟 米倉弘昌会長 挨拶
最初に参加いただいた団体、特に中国塑料加工工業協会への感謝の言葉があった。
米国のサブプライムローン問題、原油価格高騰などのマイナス要因から、戦後最長記録した日本の好景気も終焉を迎え、プラスチック加工業界は原燃料価格高騰によるコスト上昇を価格に転嫁できず厳しい状況にある。
リサイクルに関しては一昨年6月に改正容器包装リサイクル法が成立し、3Rの更なる推進、特にリデュースの推進を行うことが強く打ち出された。一方プラスチックくずの輸出は昨年152万トンとなるなど外部要因までを考慮したリサイクルの仕組みづくりを早急に検討していく必要がある。リサイクルの問題は当懇談会に出席の各団体共通の課題でありお互いに議論を深めていきたい。
このところ中国、アセアン並びにインド等アジアの国々が世界のプラスチック需要の伸びを牽引しているが、当懇談会での議論を更に深めると同時に他の国々との情報交換等活動の輪をさらに広げていくことにより、アジアの業界の発展につなげることが重要であることを改めて認識するものである。
1.2. 韓国プラスチック工業協同組合 ゙奉鉉会長 挨拶
最近の世界経済の混乱した状態下、韓国の経済状況も雇用の悪化、内需・輸出・投資の不振、建設景気の低迷など実態経済にまで影響が及んでおり、芳しくない。
特に、原材料費がプラスチック製品の原価の70%に達する中小プラスチック製品加工会社は、原材料費の上昇、環境規制の流れにより、プラスチックから他素材への代替が加速し始めているため、さらに厳しい状況にある。
中小企業は技術のハイテク化をしなくてもこれまで発展してきたが、製品ライフサイクルの短期化など企業間競争が厳しくなっている。 以上のような経営環境と産業構造の変化は中小企業に技術蓄積と技術革新を求めている。 これらの状況を受けて、本会の今後の役割と機能について真摯に検討し議論していけることを願っている。
1.3. 台湾区塑膠製品工業同業公会 黄信雄会長 挨拶
台湾のプラスチック工業は、昨年の原材料生産量は7.5%増加し、輸出は18.5%と急増したが、内需は1.9%減少し内需鈍化を示している。
プラスチック製品は生産量は昨年は2.3%増加したが原料価格が30%上昇し、製品値上げが追いつかず川下企業の経営困難をまねいている。 今年上半期はプラスチック原材料、製品ともにプラス成長しているものの、プラスチック製品の販売価格の上げ幅が原料高騰に追いつかず経営は困難となっている。
今回の会議では各国のプラスチック産業報告に加え、テーマ別討論や相互交流、特に廃棄プラスチック処理での経験を分かち合うことを期待している。
1.4. Plastindia Foundation Arvind Mehta会長
前回に続いて本懇談会に出席できたことをうれしく思う。 インドはまだ量は少ないが、近い将来世界3位のプラスチック消費国になる。本懇談会での情報交換が有意義なものであると期待している。
1.5. 中国塑料加工工業協会 姚峰常務理事 挨拶
これまでたびたび招待いただいていたが、今回初めて参加できたことをうれしく思う。たまたま中国でリサイクル関係の会議を開催しており、会長以下が参加できなく申し訳ない。中国のプラスチック産業は急速な発展を遂げている。近隣諸国との関連は深い。本会での意見交換により得た知見を生かしたい。


2.各国プラスチック産業動向
 日本、韓国、台湾の2007年の原材料の生産・輸出入・国内需要および一人当たりの消費量を表1に、2008年前半の原材料の生産・輸出入・国内需要を表2に示す。

表1 2007年 原材料の生産・輸出入・国内需要量および一人当たり消費量まとめ
( )内は対前年度比
 

生産 千トン

輸出 千トン

輸入 千トン

国内需要

一人当たり
消費量 F kg

日本 14,199(1.1%) 4,639(+7.7%) 1,612(+6.1%) 11,172(-0.8%) 87.4(-0.9%)
韓国 11,783(+4.8%) 6,383(+14.3%) 242(-2.4%) 5,642(+2.4%) 116.4(+2.0%)
台湾 6,417(+7.5%) 4,260(+18.5%) 428(+1.9%) 2,585(-7.5%) 112.9(-7.5%)
D=A-B+C  E=D/E
注)一人当り消費量:日本の値は、プラスチックくずの輸出入は除いた。
台湾の値は、日本プラスチック工業連盟で算出した。

表2 2008年1月〜6月 原材料の生産・輸出入・国内需要量
( )内は対前年度比
 

生産 千トン

輸出 千トン

輸入 千トン

国内需要量
千トンD

日本 6,800(-4.3%) 2,949(-2.3%) 988 (+26.2%) 4,839(-0.7%)
韓国 5,988(+4.4%) 3,289(+6.9%) 154(+42.1%) 2,853(+0.0%)
台湾 3,378(+4.7%) 2,163(+5.2%) 202(-1.9%) 1,417(+2.9%)

インド
 一人当たりの消費量は6kg(筆者注記:人口11.7億人でありインド全体では略7百万トン)であるが、3年後には2倍になる。
原材料生産量能力は4.6百万トンで、2011年までには2百万トン増加する。
   
2.1. 中国
中国のプラスチック製品生産量は2007年33、023千トンで前年比14.48%伸びた。プラスチック製品製造業での大規模企業は約1万5千社にのぼり、売上高は12.8兆円(2008年8月換算)で、前年比27%の増加である。
製品輸出は1千万トン、233億ドルである一方、輸入は1.7百万トン(輸出の1/6)、111億ドル(輸出の1/2)となっており、今後輸出品の高付加価値が必要である。
2008年上半期の現状は、第2四半期までは成長が続いており、大規模企業15.8千社の累計生産量は17.6百万トン、前年比13.2%増であり、成長を続けている。


3.リサイクル
3.1. 日本「廃プラスチックの処理及び再資源化の動向」
(社)プラスチック処理促進協会 田中保巳氏
各リサイクル法の概要、一般廃棄物系プラスチックの乾式選別装置を用いたRPF原料の開発
3.2. 韓国「廃プラスチックリサイクル技術の現況」
(水原大学化学工学科 キム・ジョンホ教授)
リサイクル技術の一般的総括および韓国内での技術開発状況の発表。後者においては静電気を利用した選別技術開発、臨界メタノールを利用して、架橋ポリエチレンを熱可塑性ポリエチレンに転換する技術、メタノリシス(methanolysis)による低品位ポリエステル分解技術 などの発表があった。
3.3. 台湾 台湾における廃棄プラスチック容器回收処理の現況
(台湾区塑膠製品工業同業公会 謝勝海総幹事)
回収量の動向、廃棄プラスチック容器回収、廃棄ポリ袋回收作業、PVC使用ラベルの容器商品の差別費用率に関する発表があった。


4.各国個別テーマ
4.1. 日本「JAMPにおける化学物質情報管理・伝達の仕組みと今後の方向性」
  社)産業環境管理協会(JAMP事務局)瀬良司氏
4.2. 韓国「バイオ複合材料(Biocomposites)の現況と展望」
  仁荷大学 ユン・ジサン教授
4.3 台湾「台湾におけるプラスチックフィルム産業の発展動向」
  (財)塑膠工業技術發展中心 宋銘憲氏