第33回(2007)極東プラスチック業界懇談会開催

―台湾・台北で開催―


 第33回 「極東プラスチック業界懇談会」は、台灣區塑膠製品工業同業公會主催で、平成19年10月5日 台湾 台北市ソウル市国際会議センターで開催された。国別の参加者は、次の通りである。
日本プラスチック工業連盟 正野 寛治 会長 以下 16名
台湾區塑膠製品工業同業公會 黄 信 雄 理事長 以下 40名
韓国プラスチック工業協同組合聯合会 ゙ 奉 鉉 会長 以下 22名
Plastindia Founation Arvind Mehta会長 以下  4名
総勢 82名

 各国代表の挨拶に続いて、会議は次ぎのテーマで行われた。

1.各国プラスチック産業概況報告(台・日・韓・インド)
2.各国プラスチックのリサイクル関連報告(台・日・韓)
3.各国別個別テーマ(台・日・韓)


1.各代表の挨拶要旨
 
1.1. 台灣區塑膠製品工業同業公會 黄信雄理事長 挨拶
 「昨年来、原油価格の高騰にプラスチック加工業界は大きな影響を受けている。3年前に台北でこの会議が行われた時には原油価格は56$、その後45$まで低下したが、現在では75$を超え80$に達しており、この先100$になるかもしれません。
 台湾のプラスチック工業にとって、昨年の生産量は0.8%の減少で、輸出を差し引いた内需量は4.4%の増となっている。しかし、プラスチック製品の生産高は4.2%の減となっており、下流の加工業が経営困難になっていることが見て取れる。今年の上半期は、プラスチック原材料および製品の内需量、生産量はいずれも減少しており、原油の価格高騰がプラスチック産業に大きな衝撃を与え、成長にも影響を与えていることが明らかになっております。 この他、プラスチック工業は環境保護問題にも直面しております。プラスチックの使用制限政策はいまだに存在しております。地球温暖化、二酸化炭素排出量の問題もありますが政府に対して当面の規制緩和を希望するところです。
 本日の会議では、特に廃棄プラスチック処理の各国の経験について、情報を共有し、討論を深めることを期待しています。」
1.2. 日本プラスチック工業連盟 正野寛治会長 挨拶
 「中国の参加については中国塑料加工工業協会の強い参加意思表明があったにもかかわらず最終的には不参加となり残念であった。しかし成長著しいインドが2年ぶりに参加されたことは意義深いことであり歓迎します。
 日本の景気は、2006年も着実な足取りで回復し、2006年7月にはゼロ金利政策から脱却しておりますが、プラスチック業界とくに加工業界にとっては景気回復が実感として現れていないのが実情であります。日本の2006年プラスチック産業の状況は、原材料生産量は前年比0.7%減、消費量は1.3%増とほぼ横ばいに留まっております。2007年に入って実績は昨年を若干上回っております。
 日本におきましては、昨年6月に改正容器包装リサイクル法が成立し、3Rの更なる推進、特にリデュースの推進を行うことが強く打ち出されました。本年から本格的な施行段階に移行しました。一方、プラスチックくずの輸出は、急速に増加し昨年は130万トンに、本年上半期は20%増の70万トンになっております。特に国内のPETリサイクルシステムは大きな影響を受けております。こうした外部情勢の変化までを考慮したリサイクルの仕組みづくりを早急に検討していくことが必要です。中国でのリサイクル時の環境対応、リサイクル品の品質確保なども無視できません。 このところ、中国、アセアンならびにインド等アジアの国が世界のプラスチックの伸びを牽引しておりますが、当懇談会での議論を更に深めると同時に他の国々との情報交換等活動の輪をさらに広げていくことにより、アジアの業界の発展につなげることが重要であることを改めて認識するものであります。」
1.3. 韓國プラスチックス工業協同組合聯合會 ゙奉鉉会長
 「原油価格の高騰が続く中、石油化学産業の二極化が顕著になっている。GEが10%以上の収益が生じていたプラスチック事業をSABICに売却したのに続き、BASFもスチレン系事業から撤退するなどの動きが出ております。
プラスチック製品加工業界の現状は、原材料の値上がりによる経営コストの上昇も大問題ですが、80年代に入って環境問題が浮上し、プラスチックが環境汚染の主犯と認識され、プラスチックの位置づけがどんどん弱まっているのがより深刻な問題だと言えます。しかし、プラスチックがなければ地球にある木と鉄が半分に減ってしまっていた、あるいは人口増加の速度がこれほど速くなかったと言われています。プラスチックは人類の文明に不可欠の素材といえます。
我々加工業界も営業利益一辺倒の戦略から抜け出し、環境に優しい製品の開発や廃プラスチックのリサイクルを通じた省資源への取組みをリードしていくべきでしょう。また、プラスチックの優秀性、有用性などについても啓発を続けていかねばなりません。実質的な話し合いの場となることを祈念しています。」
1.4. Plastindia Foundation  Arvind Mehta会長
 招待に対しての感謝の挨拶の後、Plastindia Foundationの活動の紹介、インドプラスチック産業が急速に発展していることなどが述べられ、最後に2009年2月にニューデリーで開催される展示会の紹介があった。


2.プラスチック産業動向
 2006年の原材料の生産・輸出入・国内需要および一人当たりの消費量を表1に、2007年前半の原材料の生産・輸出入・国内需要を表2に示す。

表1 
2006年 原材料の生産・輸出入・国内需要量および一人当たりの消費量まとめ
( )内は、前年比
単位:千トン
 

生産量

輸出量

輸入量

国内需要

kg/人

日本 14,050(-0.7%) 5,602(8.6%) 1,523(3.5%) 9,969(-4.7%) 88.2(-2.2%)
韓国 11,245(3.0%) 5,982(0.5%) 248(7.4%) 5,511(6.0%) 114.1(6.1%)
台湾 5,971(0.8%) 3,594(-6.6%) 420(-16.7%) 2,796(4.4%) 122.0(5.8%)
注)一人当り消費量:日本の値は、プラスチックくずの輸出入は除いた。
台湾の値は、日本プラスチック工業連盟で算出した。

表2 2007年上半期 原材料の生産・輸出入・国内需要量まとめ
( )内は前年同期比
単位:千トン
 

生産量

輸出量

輸入量

国内需要

日本 7,106(4.3%) 3,018(11.2%) 783(2.4%) 4,871(0.2%)
韓国 5,739(2.3%) 2,994(-0.7%) 109(-20.4%) 2,853(4.4%)
台湾 3,228(2.1%) 2,056(9.2%) 206(-4.6%) 1,377(-7.9%)


3.プラスチックのリサイクル関連報告
3.1.  台湾
 2006年から家庭ごみの強制的分別を全面的に推進し、家庭からの廃プラスチック容器を一般ごみには混入して廃棄出来なくなり、資源回収車への回収が義務付けられた。 プラスチック使用制限政策については、2002年にポリ袋及び使い捨て食器の使用制限を二段階に分けて実施した。一例としてポリ袋の厚さを60μ以上に制限する政策を実施したが現実には使用量が増える結果となり、2006年6月に飲食業でのポリ袋使用の制限を撤廃するなど修正が行われている。
3.2.  日本
 プラ処理協から、容リ法を中心に、各リサイクル法の現状と、容リ法改正の内容を説明した。また、新しい技術として、「土壌付着プラスチックの高効率乾式洗浄技術の開発」についても説明を行なった。 
3.3.  韓国
 廃棄物負担金制度は、2007年に改正された。主要な骨子は、@廃棄物負担金の賦課料率の増加、A廃棄物負担金の賦課対象が中間材と最終製品であったものが、最終製品にのみ課すこと、B自発的協定の根拠つくり、C賦課料率を固定料率制から物価連動制することなどである。自発的な協定は業者が自らリサイクルをすれば負担金を免除するというものである。


4.各国個別テーマ報告
4.1. 台湾:環境保護性難燃剤の発展と動向
  :財団法人塑膠工業技術発展中心 潘毓豪 博士
4.2. 日本:エンプラ発展の軌跡とこれからの課題
  :ETT創業支援機構 金井日出夫 理事
4.3 韓国:プラスチックを超えて−機能性プラスチック
  :浦項工科大学校 機械工学科 韓京燮 教授
について報告があった。