第32(2006)回極東プラスチック業界懇談会開催

―韓国ソウルで開催―


 第32回 「極東プラスチック業界懇談会」は、韓國プラスチックス工業協同組合聯合會主催で、平成18年10月25日 韓国ソウル市タワーホテルで開催された。国別の参加者は、次の通りである。
日本プラスチック工業連盟 正野 寛治 会長 以下 11名
韓国プラスチック工業協同組合聯合会 ゙ 奉 鉉 会長 以下 34名
台湾區塑膠製品工業同業公會 黄 信 雄 理事長 以下 20名
ゲストスピーカ;Chemical Market Associates Inc. Mr. Andrew Ho  
総勢 66名

 各国代表の挨拶に続いて、会議は次ぎのテーマで行われた。

1.各国プラスチック産業概況報告(韓・台・日・世界)
2.各国プラスチックのリサイクル関連報告(韓・台・日)
3.各国別個別テーマ(韓・台・日)


1.各代表の挨拶要旨
1.1. 韓國プラスチックス工業協同組合聯合會 ゙奉鉉会長
  「1975年に始まった極東プラスチック業界懇談会ですが、今年で32回目を迎えました。これまで極東プラスチック業界懇談会は、3国のプラスチック産業を理解し、相互の友好と協力を深める場としての役割をしっかり果たしてきたと存じます。
 韓国のプラスチック産業の現状については、生産量や輸出量は少量ではありますが前年より増加しております。最近の国際原油価格の高止まりが長期化しプラスチック原材料価格も急騰を続けているうえ、プラスチックに対する人体・環境への有害性議論が加速化しているため、プラスチック産業は深刻な危機状況に直面しています。世界的に共通する課題ですが、プラスチック産業には、原材料の価格上昇という環境下でどのように利益を確保していけるのかに対する、より踏み込んだ研究と対策作りが切実に求められております。
 プラスチックの有用性に対する認識を広め、環境保全をリードしていく産業へと発展できるようアジア各国とのつながりをより緊密化し、ひいてはアジアのプラスチック業界全体の発展につながる国際会議に位置付けられるよう期待いたします。」
1.2. 台灣區塑膠製品工業同業公會 黄信雄理事長 挨拶
 「昨年、世界経済の景気拡大が緩やかになった中でも、プラスチック産業はいまだに強い成長の力を保持しております。しかし、石油価格の高止まりに対し、プラスチック業界が、どのように対応するかが、大きな課題となっております。 台湾のプラスチック工業にとって、昨年の熱可塑性プラスチックはわずかに1.7%の衰退となりましたが、海外向けの販売に力を入れ、輸出は2.5%成長しております。今年の上半期は、プラスチック原材料は成長しましたが、製品は減少しており、石油の価格高騰がプラスチック製品産業に大きな衝撃を与え、成長にも影響を与えていることは既に明らかになっております。
 この他、プラスチック工業は環境保護問題にも直面しております。プラスチックの使用制限政策はいまだ存在しており、京都議定書、欧州のRoHS、REACH及びWEEE規格などが石化産業にとっても頭を悩ます課題となっております。
 今後は高石油価格時代に挑戦すべく、新たな創造に取り組み、製品の付加価値と国際化を向上させ、協力してグローバル競争の挑戦に立ち向かってまいりたいと存じます。」
1.3. 日本プラスチック工業連盟 正野寛治会長 挨拶
 「日本の景気は、2005年は着実な足取りで回復し、2006年7月にはゼロ金利政策から脱却しておりますが、プラスチック業界にとっては景気回復が形として現れていないと言うのが現状であります。2006年に入っても改善はみられず、景気回復の効果よりも、原油価格高騰の影響の方が大きいことを示しているものと言えます。高付加価値の追求に向けてさらなる努力が必要とされるところであります。
 日本におきましては、この6月に改正容器包装リサイクル法が成立し、3Rの更なる推進、特にリデュースの推進を行うことが強く打ち出されました。これに対して、事業者は3R推進のための自主行動計画を策定して取り組んでおりますが、消費者ならびに市町村との連携を強めることにより、プラスチックの有用性を最大限生かしていくための努力が必要であると考えております。リデュースへの取り組みは各国共通の課題であり、お互いに議論を深めていきたいものであります。また、個別テーマとしまして、生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックの動向について報告致します。日本における用途拡大に向けての種々の取り組みが参考になれば幸いです。
 来年2007年は、プラスチックが世界で初めて工業生産されてから、100年という区切りに当たる年とのことであります。プラスチック100年の区切りを契機に、本懇談会の活動について考えるのも意義あることと考えます。
 このところ、中国、アセアンならびにインド等アジアの国が世界のプラスチックの伸びを牽引しておりますが、当懇談会での議論を更に深めると同時に他の国々との情報交換等活動の輪をさらに広げていくことにより、アジアの業界の発展につなげることが重要であることを改めて認識するものであります。」


2.プラスチック産業動向
 2005年の原材料の生産・輸出入・国内需要および一人当たりの消費量を表1に、2006年前半の原材料の生産・輸出入・国内需要を表2に示す。

表1 2005年 原材料の生産・輸出入・国内需要量および一人当たりの消費量まとめ
( )内は、前年比
単位:千トン
 

生産量

輸出量

輸入量

国内需要

kg/人

日本 14,145(0.4%) 5,157(3.2%) 1,471(10.3%) 10,459(0.4%) 81.9(0.4%)
韓国 10,893(2.6%) 5,951(6.3%) 231(27.6%) 5,173(-0.6%) 107.1(-1.0%)
台湾 6,020(-1.7%) 3,892(7.5%) 504(-0.9%) 2,632(-12.7%) 115.3(-12.7%)
中国 21,420(19.5%) 1,859(71.0%) 18,788(-11.8%) 38,348(0.5%) 29.1(---)
注)一人当り消費量:台湾、中国の数字は、日本プラスチック工業連盟で算出

表2 2006年上半期 原材料の生産・輸出入・国内需要量まとめ
( )内は前年同期比
単位:千トン
 

生産量

輸出量

輸入量

国内需要

日本 6,810(-3.4%) 2,713(9.8%) 765(2.4%) 4,862(-8.7%)
韓国 5,611(4.2%) 3,014(1.7%) 137(23.3%) 2,734(7.9%)
台湾 3,163(3.8%) 1,908(-1.7%) 216(-1.9%) 1,471(10.7%)
中国 12,225(21.2%)



3.プラスチックのリサイクル関連報告
3.1.  韓国
 政府は2003年現在、廃プラの70%以上が、埋立て、単純焼却されている、2006年に有効利用率50%、2010年に72.5%と大幅に、上げることを計画している。有効利用の手段としては、エネルギー回収がメインで、発電、油化、ガス化、RPFなどの手法を大幅に増強することを考えているようだ。
  その他いくつかのリサイクル関連の技術開発について説明があった。
3.2.  台湾
 台湾でも廃棄物処理問題は日を追って深刻になっている。「発生源での管理」と「再生利用」に関する、4R即ち、発生源での減量(Reduction)、再利用(Reuse)、リサイクル(Recycling)、物質再生(Recovery)を最重要視している。
  現在回収品目とされている廃プラスチック容器は、PET、発泡ポリスチレンEPS、ポリスチレン、PVC、PE、PP等であり、回収基金として、製造業者、輸入業者は、下表の金額を資源回収基金に納めている。また、再生処理工場に対し、回収費用の助成を行なっている。
3.3.  日本
 プラ処理協から、容リ法を中心に、各リサイクル法の現状と、容リ法改正の内容を説明した。また、新しい技術として、光ディスクの回収技術とそのシステム化についても説明を行なった。


4.各国個別テーマ報告
4.1. 医療用高分子の開発動向:仁荷大学校ナノシステム工学部 陳仁柱 教授
4.2. 台湾の高分子系自動車部品産業の発展:(財)塑膠工業技術発展中心 沈暁復 経理
4.3 日本における「生分解性プラスチック」と「バイオマスプラスチック」の動向
          :生分解性プラスチック研究会(BPS) 猪股 勲顧問
について報告があった。

詳細情報は、「プラスチックス」1月号、「プラ工連ニュース」No.290を参照願いたい。