第31回(2005)極東プラスチック業界懇談会開催

―パシフィコ横浜で開催―


 第31回「極東プラスチック業界懇談会」は、日本プラスチック工業連盟の主催により、横浜市「パシフィコ横浜」で、2005年9月26日月曜日に開催された。昨年度はインドからオブザーバー参加があったが、今年度は中国塑料加工工業協会にゲスト講演を依頼したが日程が合わず書面での参加となった。しかし、このことは、次回以降更なる展開へのつながりが期待され有意義なものであった。国別の参加者は次ぎの通りである。

日本プラスチック工業連盟 正野 寛治 会長 以下 25名
台湾塑膠製品工業同業公會 陳 啓 發 理事長 以下 19名
韓国プラスチック工業協同組合聯合会 ゙ 奉 鉉 会長 以下 32名
総勢 76名

 各国代表の挨拶に続いて、会議は次ぎのテーマで行われた。

1.各国プラスチック産業概況報告(日・韓・台・インド)
2.各国プラスチックのリサイクル関連報告(日・韓・台)
3.各国別個別テーマ(日・韓・台)


1)各国代表挨拶概要
 主催者を代表して正野会長より、「各国のプラスチック業界の代表をお招きして、親しく懇談の機会を得ることをでき嬉しくおもいます。今後とも、アジアの各種団体へ参加を働きかけて行きたと考えております。」との歓迎の言葉があった。さらに、「世界のプラスチック業界は 2004年に、原材料生産が2.1億トンを超え、このうちアジアは、7,300万トン、世界生産量の34%を占めていると思われます。中国、インド、アセアン諸国がプラスチック産業の積極的な展開を図っており、今後の動向が注目されます。第31回を迎える極東懇としても、アジアプラスチック業界の全体の発展に繋がるように「国際化」を進め活動の輪を広げていくことが重要であります。 日本の2004年のプラスチック産業は原材料生産数量がプラス3.3% 、製品は、プラス1.9% と数年ぶりに好調でありましたが、IT関連分野の調整等により、2004年後半は期待したような伸びはありませんでした。原油価格高騰の続くなかですが、2005年後半になり、この状況から抜け出せる兆しが出てきたように思われます。韓国からの再活用製品の品質認証制度や台湾からのWEEE、RoHSに関する報告がありますよう、環境問題にウエイトが置かれてます。このことからも「環境」は、持続的発展社会の形成に当たり重要な課題と考えております。」との挨拶があった。
 韓国の辛會長からは、「韓国のプラスチック産業は、2004年からの原材料価格の急騰により、2005年第2四半期まで、中小加工業者の経営悪化が続き、原油価格70ドル時代を迎え、さらに対策を迫られております。昨年の正野会長の指摘にあった生き残るためには「高付加価値の追求」が切実に求められており、汎用プラスチック製品を生産するほとんどの企業にとって、その対応に追われているところです。
2005年の第1四半期は前年同期に比べやや伸びてはいるものの、昨年の平均成長率に比べると大幅に減少しており、特に輸出の減少が大きく、これは中国の増設されたエチレンプラントが稼働開始したためと思われます。長期的には、2008年〜09年に中東地域において年間700万トン規模の増設が、また、中国とインドに於いても約300万トン規模の増設が計画されており、本格稼働時期には石油化学産業の景気が懸念されており、これに備える必要があります。このように、石油化学産業は、その規模と産業全般に及ばす影響からグローバル産業の代表的なものといえ、各国間で情報交換と産業協力ができるようなシステムを構築することにより危機への対応ができると考えます。31回を迎えた極東プラスチック業界会議は、各国相互の情報交流を進め産業発展に役立て、さまざまな国に参加して貰い、アジアを代表する業界会議へと羽ばたいていると考えます。」と、述べられた。
 台湾の陳理事長からは、「この1年の石油価格の異常な変動は、過去2回の中東の政情不安によるものではなく、国際経済の好況により石油の需要が増加したことと、中国の経済発展がさらに石油の需要を大きくしたことによる。この原油の高騰は原油価格高の時代が来ることの懸念となり、プラスチック産業がこの危機を如何に対処していくか大きな課題といえる。
プラスチック工業については、5大汎用プラスチック原料は依然として供給過剰であり、輸出に頼らざるを得ない状況である。特に昨年は、プラスチックの原料の価格も高騰し、政府や原料業界に働きかけて、値下げ交渉をしたものの良い結果にならず、コスト面の苦労をすることになり今も続いているこのように2005年の上半期は、プラスチック原材料、及び製品共に不調で、昨年の好調さはみえなかった。原油価格の高騰がプラスチック業界の成長に影響を及ぼしたといえる。また、環境保護に関し、京都議定書、への対応は石油化学産業にとって懸念されることである。REACH今回のテーマについて討議することにより、相互の交流を図るともに、新たな創造性に取り組み、製品の付加価値及びグローバル化を向上させ、連携して原油高の時代に挑戦し、世界的な競争に立ち向かっていきたい。」と、述べられた。


2)プラスチック産業動向
 原材料の生産・輸入数量・国内需要について2004年のものを表1に、2005年上期のものを表2に示した。表1には年間一人当たりのプラスチックの消費量も付記した。
 日本の2004年の原材料生産量は+3.4%の増であった、韓国は+2.6%、台湾も+2.7%と伸びは鈍化している、中国は10.1%と大幅な伸びを維持している。韓国と台湾は両国とも輸出の減少が大きく、それぞれ-18.1%、及び-2.6%であるが、一方国内需要は韓国、台湾ともそれぞれ、+2.9%、+0.2%であり、2003年とは、逆の動きになっている。

表1 2004年原材料の生産・輸出入量・国内需要まとめ
( )内は前年比
単位:1000トン
  生産量 輸 出 輸 入 国内需要 kg/人
日 本 14,450(+3.4%) 4,998(+6.1%) 1,334(+6.8%) 10,786(+2.6%) 84(+2.5%)
韓 国 10,635(+2.6%) 5,467(+8.6%) 181(-18.1%) 5,312(+2.9%) 109(+2.4%)
台 湾 6,815(+2.7%) 3,730(+6.4%) 509(-2.6%) 3,705(+0.2%) 164(+7.3%)
中 国 17,910(+10.1%) 109(+18.4%) 21,310(+11.7%) 39,111(+10.8%) 30(−)
注)一人当り消費量:台湾、中国の数字は、日本プラスチック工業連盟で算出

表2 2005年上期(1〜6月)原材料の生産・輸出入量・国内需要まとめ
( )内は前年同期比
単位:1000トン
  生産量 輸 出 輸 入 国内需要
日 本 7,380(+ 0.7%) 2,472(+1.7%) 747(+16.1%) 5,656(+8.9%)
韓 国 5,334(+0.2%) 2,968(+16.1%) 109(+13.5%) 2,475(-13.5%)
台 湾 3,372(-3.1%) 1,940(+5.9%) 220(-15.1%) 1,653(-13.3%)
中 国 9,903(+10.7%) 129(+70.2%) 8,973(-14.4%) 18,747(−)


3)プラスチックのリサイクル関連報告
 日本:廃プラスチックの処理及び再資源化の動向
 韓国:プラスチック再利用技術の動向と優秀リサイクル製品品質認証(GR)制度
 台湾:廃プラスチック回収の現況
について、報告があった。(詳細略)


4)各国個別テーマ報告
 (1) 日本:食品容器用プラスチックの規制と生分解プラスチック
 (2) 韓国:韓国における強化プラスチックの開発動向
 (3) 台湾:台湾のプラスチック産業界のEUにおけるWEEE及びRoHSへの対応
について、報告があった。(詳細略)

次回は2006年10月、韓国主催で全州にて開催の予定
なお、詳細情報は、「プラ工連ニュースNo.278」および当連盟機関誌「プラスチックス 2006年1月号」に掲載。