第30回極東プラスチック業界懇談会開催

―インドを加えて活発な意見交換で盛況に―


 第30回「極東プラスチック業界懇談会」は、節目である30年目を迎え、台湾塑膠製品工業同業公會の主催により、台北市「台北国際会議中心」で、2004年11月26日金曜日に開催された。昨年度はべトナムからの参加があったが、今年度はインドをオブザーバーとして迎えることができた。日韓台以外からの参加が3年続いたことは、今後の展開へのつながりが期待され有意義なものであった。参加者は次ぎの通り、総勢80名となり、30回記念に相応しい内容となった。

日本プラスチック工業連盟 正野 寛治 会長 以下 16名
台湾塑膠製品工業同業公會 陳 啓 發 主席代表 以下 34名
韓国プラスチック工業協同組合聯合会 辛 鎮 文 会長 以下 29名
プラストインディア Mahesh K. Shah理事長  
総勢 80名

 各国代表の挨拶に続いて、会議は次ぎのテーマで行われた。

1.各国プラスチック産業概況報告(日・韓・台・インド)
2.各国プラスチックのリサイクル関連報告(日・韓・台)
3.各国別個別テーマ(日・韓・台)


1)各国代表挨拶概要
 主催国の台湾の陳啓發主席代表より、「30周年の記念すべき懇談会に際し、歴代の苦労に感謝し、今後の発展に一層協力していきたい。7年間据え置きされた京都議定書が来年から発効となる。 地球村の一員としての責任を果たし、この産業変化を契機として掴み乗り越えることが大切です。 この会議で交流を図り、原油高価格時代に挑戦するため各国業界の創造性、企業再建、核心となる競争力の構築、製品付加価値の向上およびグローバル化等について話し合い、産業の分業協力を進め、お互いの経営競争力を高めて世界的な競争に立ち向かっていきたいと思います。」との挨拶があった。
 日本の正野会長からは、「世界のプラスチック業界は 2003年に、原材料生産が初めて2億トンを超え、このうちアジアは、6,800万トン、世界生産量の33%を占め、世界のプラスチック産業への影響が大きく、今後情報を共有化してよりよく理解することが重要と認識しております。 一方、わが国のプラスチック産業の状況は本格的な回復が見込める状況となりましたが、このところのナフサ、原油の急激な高騰により、厳しい状況に置かれております。 このような厳しい経済環境のなかでは、高付加価値製品の開発により、利益の確保できる生産活動が生き残りを支えるものであるといえます。持続的発展社会形成のため重要な「環境」およびアジア発のISO作成等の活動を始め「国際化」について積極的に進めていきたいと考えます。」との挨拶があった。
 韓国の辛會長からは、「韓国では原油価格高騰によるプラスチック原材料価格が上昇し、原材料を生産する大企業は過去最大の営業利益を記録しているが、製品を生産する中小加工メーカーは経営が悪化しており、連合會および韓国政府とで対策に追われている。 さらに、韓国政府の環境規制である「拡大生産者責任リサイクル(EPR)」については、解決すべき課題となっている。 各国の技術開発事例および環境対策、プラスチックリサイクルに関するテーマについて深く取り上げられ、プラスチックに対する認識向上や効果的リサイクル方法について討論の場になることを期待する。」と、述べられた。

最後に、プラストインディア Mahesh K. Shah理事長 から本懇談会に参加できたことの謝辞が述べられた。


2)プラスチック産業動向
 原材料の生産・輸入数量・国内需要について2003年のものを表1に、2004年上期のものを表2に示した。表1には年間一人当たりのプラスチックの消費量も付記した。
 日本の2003年の原材料生産量は+0.1%の微増であったが、韓国は+3.0%、台湾も+3.7%と増加している。韓国と台湾は両国とも輸出が極めて増加幅が大きく、それぞれ+8.6%、及び+6.4%増であるが、一方国内需要は韓国、台湾ともそれぞれ、-2.8%、-1.4%であり、国内需要の成長は見られていない。2004年上半期は、各国とも、生産量、国内需要とも大幅な伸びを示している。

表1 2003年原材料の生産・輸出入量・国内需要まとめ
( )内は前年比
単位:1000トン
  生産量 輸 出 輸 入 国内需要 kg/人
日 本 13,978(+0.1%) 4,712(+1.1%) 1,249(+7.4%) 10,515(+1.6%) 82(+1.5%)
韓 国 10,385(+3.0%) 5,467(+8.6%) 246(-7.2%) 5,164(-2.8%) 108(-3.6%)
台 湾 6,639(+3.7%) 3,730(+6.4%) 535(-18.3%) 3,444(-1.4%) 131(+2.3%)

表2 2004年上期(1〜6月)原材料の生産・輸出入量・国内需要まとめ
( )内は前年同期比
単位:1000トン
  生産量 輸 出 輸 入 国内需要
日 本 7,325(+ 3.4%) 2,431(+4.7%) 643(+4.7%) 5,537(+10.1%)
韓 国 5,327(+ 5.0%) 2,557(-0.1%) 96(-26.7%) 2,866(+8.3%)
台 湾 3,513(+13.4%) 1,858(+14.2%) 267(-9.0%) 1,921(+9.0%)


3)プラスチックのリサイクル関連報告
 日本:廃プラスチックの処理及び再資源化の動向
 韓国:プラスチックリサイクル政策の実態と改善方策
 台湾:廃プラスチック回収の現状
について、報告があった。(詳細略)


4)各国個別テーマ報告
 (1) 韓国:韓国のエンジニアリングプラスチック産業の現状と展望
 (2) 日本:日本における抗菌加工製品の現状
 (3) 台湾:プラスチックス製品デジタル化設計技術開発の現状と展望
について、報告があった。(詳細略)

質疑応答では活発な意見交換がなされた。それぞれの国に特有の背景があり、これを解決する糸口を見つけるための質問があり,この懇談会が有用と感じた。各国代表団長に対しての記者会見があり、マスコミに向けても,本懇談会の有用性を発信することができ,関係者の注目を引く契機になったと思われる。

次回は,2005年9月28日、プラ工連主催で千葉県幕張にて開催の予定
なお、詳細情報は、「プラ工連ニュースNo.269」および当連盟機関誌「プラスチックス 2005年2月号」に掲載。